公開 2026.10.11 / 更新 2026.10.11 / 文: 中西 輝(SATORI PARTNERS 代表)
SUMMARY ── この記事の要点
- ◆データ移行で最も避けたいのは、件数の抜けや日付・金額の食い違いに気づかないまま本番の運用に入ることである。
- ◆取り込んだあとは、元の表と件数・日付・在庫などを機械的に照合し、すべて一致することを確かめてから切り替える。
- ◆表ごとに違う書き方(全角・半角、ハイフンの数など)は、表示はそのまま残し、照合や名寄せのときだけ同じものとして扱うのが安全である。
01移行でよく起きる失敗
- ・取り込んだ件数が、元の表より少ない(行の抜け)
- ・日付が1日ずれる、和暦と西暦が混ざって読み違える
- ・同じ物件が書き方の違いで別の物件として登録され、重複する
- ・在庫や残数を、受け払いの記録から計算し直すと合わない
- ・移したあとに元の表も更新され続け、どちらが正しいか分からなくなる
02失敗しない進め方
STEP 1
移す表を固定する
移行に使う元の表を決め、取り込んだ時点の内容を控えておきます。移行の途中で元の表が書き換わらないようにします。
STEP 2
同じものを見分ける基準を決める
物件や部屋を同じものとみなす基準(名寄せの鍵)を決めます。全角・半角やハイフンの数などの違いは、この基準の中でだけ吸収します。
STEP 3
確認用の環境に取り込む
本番に入れる前に、確認用の環境に取り込みます。
STEP 4
元の表と機械的に照合する
件数・日付・金額・在庫などを、元の表と照合するプログラムで突き合わせます。目で見て確かめるだけに頼らないのが大切です。
STEP 5
すべて一致してから本番へ
照合で食い違いがないことを確かめてから、本番の環境に移し、運用を切り替えます。
03表示は元の書き方のまま残す
表ごとに違う書き方を、移行のときに一律に直してしまうと、現場の方が見慣れた表記と変わってしまい、「どの物件のことか」がかえって分かりにくくなることがあります。
おすすめは、画面に出す表記は元の表のまま残し、検索や照合、重複の判定のときだけ同じものとして扱う方法です。こうすると、データの正確さと現場の使いやすさを両立できます。
04切り替えたあとに確かめたいこと
- ・元の表は更新を止め、参照用として残す
- ・最初の数週間は、現場から「見当たらない」「数字が違う」という声を集めて、すぐに確かめる
- ・移行に使ったプログラムを残しておき、不具合を直したら移行済みのデータにも同じ修正を当てる
よくある質問
- Q.表計算ソフトの書き方がバラバラでも移行できますか?
- A.できます。物件や部屋を同じものとみなす基準を決め、書き方の違いはその基準の中でだけ吸収します。画面には元の書き方を残せます。
- Q.移行したデータが正しいかは、どう確かめればよいですか?
- A.件数・日付・金額・在庫などを、元の表と照合するプログラムで突き合わせるのが確実です。すべて一致してから本番の運用に切り替えます。
- Q.移行のあと、元の表はどうすればよいですか?
- A.更新を止めて、参照用として残しておくのがおすすめです。両方を更新し続けると、どちらが正しいか分からなくなります。